物忘れと認知症
人は誰でも歳をとり、体の機能が少しずつ衰えていきます。若い頃のように活動することが簡単ではなくなってきます。ちょっとしたことが思い出せなくなったり、今までできていたことをし損じたり、といった場面が増えてきます。このような加齢による自然な変化と認知症との違いはどこにあるのでしょうか。単なる物忘れと病的な物忘れのどこに境があるのでしょうか。
認知症では、ある体験の内容だけでなく体験そのものを忘れてしまったり、物事を段取りよく進めていく事ができなくなるなど、いくつかの注目すべき特徴があります。一番重要なポイントはその人の日常生活に様々な支障が生じ始めるという点です。
認知症について
症状の特徴や各種検査から得られる情報により認知症はいくつかのタイプに分類されます。いわゆるアルツハイマー型に加え、脳血管性認知症、レビー小体型認知症、前頭側頭型認知症といったものがあります。早期に診断を行い、それぞれのタイプに応じた適切な治療やケアを続けることで、認知症の進行を抑え、ご本人の生活をよりよいものとすること、ご家族の介護負担を減らしていくことが期待できます。
また、身体疾患やうつ病などの影響により一時的に認知機能が低下している場合があり、原因疾患の治療により認知機能そのものが回復することもあります。
認知症外来のご案内
認知症外来では認知症に関する鑑別診断、認知機能の評価、治療を行い、ご本人、ご家族が抱える様々な困難に対して専門的な立場からアドバイスを行い、ご本人の尊厳を支えつつ、安心して暮らしていけるようサポートしています。また、当院重度認知症デイケア「ほのか」、急性期治療病棟とも連携しながら総合的なサポートを行っています。