せん妄ってどんな状態?

海辺の杜ホスピタル 精神科医師 森田 啓史

診療で「おばあちゃんが急に認知症になったのですが、どうすればいいですか」というような質問を受けることがあります。このような際に、考えられる状態がせん妄です。
具体的な症状としては、時間や場所が急に分からなくなり、注意力や思考力が低下します。また、壁の模様が虫に見える、何もない場所で小さな動物が見えるといった錯覚や幻覚、あり得ないことを述べる妄想という症状を呈する場合もあります。焦燥や攻撃性が高まり、人が変わったようになることもあります。これらの症状は往々にして夜間に出現し、不眠を引き起こします。半面、日中に眠たくなり、まどろむといった昼夜逆転状態となります。
せん妄の特徴は症状が突然起こることです。また、大部分は回復するということです。よく、比較される認知症は基本的には、慢性的に進行していく病であり、不可逆的なことが多いという特徴があります。ご家族の立場から、せん妄を疑うことがあれば、医療機関への相談をお勧めします。