病名と告知②発達凸凹と発達障害<前編>

海辺の杜ホスピタル 医局長 町原 敦

ここ数年、発達障害に関する受診相談が非常に増えています。家庭や学校でのうまくいかなさから受診につながる場合だけでなく、テレビやネットで見て「自分にも当てはまるんじゃないか」と大人になってから診断を求めて来られるケースも増えています。最初の診察である程度分かる場合もあれば、一見普通でありながら、検査を進める中でかなりの能力の偏り(アンバランスさ)が見えてきて、これまでの苦労を感じさせられる方もおります。
ここで問題となってくるのが、どこまでが個性の範疇で、どこからが病気(障害)なのかというテーマです。近年、精神科の世界的診断基準にも「スペクトラム」という概念が採用され、これは「あいまいな境界を持ちながら連続している」ことを意味しています(虹の構造に例えられます)。
明確な基準がない以上、発達凸凹はあっても、それが発達「障害」なのかどうかは別の観点から考えていくことになります。
次回に続きます。