コロナ時代のメンタルヘルス

海辺の杜ホスピタル 精神科医師 赤川 芳樹

世界を覆う新型コロナウイルス(COVID-19)の脅威は、現時点でも終息の兆しが見えません。わが国でこそ移動制限の緩和が始まりましたが、世界的には感染者数はいまだ右肩上がりであり、予断を許さない状況です。この先行き不透明な状況下で、精神的にも不調を来す方が増えています。これは感染者自体から生じる不安による場合と、さまざまな生活の変化や経済的なダメージなど二次的な要因による場合があり、世界保健機関(WHO)は精神的ケアについてもさまざまな指針を示しています。その中で感染情報の適度な遮断や、不安の共有などが推奨されています。
ソーシャルディスタンスは現在、一つの倫理としての地位を確立しつつありますが、人と人との距離は、遠すぎても近すぎても、人の心に影を差します。一人で膨大なコロナの情報の滝に打たれても、得るものは多くありません。大切な人や相談相手との心の距離は離さずに、けれど密にはならずに気持ちを共有してください。それでもつらいとき、精神科医療がその一助となれれば幸いです。