アルコール依存症とうつ病

海辺の杜ホスピタル 副院長 笠井 秀夫

アルコール依存症とうつ病は合併の頻度が高いことが分かっています。アルコール依存症に罹患するとアルコールに関連した身体の不調のほか、家族との不和、周囲の人とのトラブル、仕事上の失敗、失職、経済的困窮など、さまざまな問題が生じます。多くのストレスを抱える中で、うつの状態に陥りやすくなるのです。
酔っぱらっている間は気持ちが高揚し、一時的にでも嫌な気分から逃れられるため、ますますお酒を求めるようになります。厄介なことにアルコールが切れると離脱症状としてさらに強い落ち込みに襲われるため、ひとときもお酒が離せなくなるという悪循環に陥ります。
アルコール依存症の人はそうでない人と比較して、自殺の危険性が約6倍も高くなるという報告もあり、うつ病の合併がその一因と考えられています。故にアルコール依存症にうつ病が合併した場合には、断酒治療によりうつ症状の改善が期待できます。