治療、教育、育ち①

海辺の杜ホスピタル 院長 岡田 和史

日々の治療場面において痛感することの一つが、若者は成長するということです。成長するということは、育つということです。
一方、教育という言葉があります。これは「教え育てる」という意味ですが、子どもは受動的に育てられるばかりではありません。能動的、主体的に「育つ」ものでもあります。「育つ」ということは自らの内発的な力で成長するということです。教育や治療を考えるときに、この「育ち」の両面が重要ではありますが、中でも「育つ」面がより大事なものだと私は考えています。
例えば、植物の種が発芽するためには、適度な温度、水、酸素が必要と小学校の理科の授業で習います。これらの条件が整わないと種は芽を出すことができません。手術をするように種を切り開いて芽を強制的に引っ張り出すようなことはできないのです。内発的な力を発揮できる条件を整え、その上で種自身の持つ発芽する力を信じて待つことが必要なのです。