治療、教育、育ち③

岡田医師

前回、前々回と「育てる」、「治す」ことより「育つ」、「治る」ことが大切で、特に若い患者さんの場合は、その内発的な力を信じて待つことが必要と述べてきました。では、精神科の医師や家族が積極的にできることはないのかという疑問が浮かぶかもしれません。 私は、治療や教育は、魚釣りに例えることができると思います。魚が餌に食い付くことは、あくまで魚自身がすることですが、よ…


治療、教育、育ち②

岡田医師

偉大な臨床心理学者であった河合隼雄先生は、心理療法によって「治すのか、治るのか」という問い掛けをされました。先生は、その両面があるものの、クライアント(患者さん)が自ら「治る」ことの方が大切だと強調されました。 私自身の臨床経験からも、精神的、心理的な治療においては、治療者が「治す」ことよりも、「治る」力が発揮されやすい環境を整え、「治る」力が育つのを待つこ…


治療、教育、育ち①

岡田医師

日々の治療場面において痛感することの一つが、若者は成長するということです。成長するということは、育つということです。 一方、教育という言葉があります。これは「教え育てる」という意味ですが、子どもは受動的に育てられるばかりではありません。能動的、主体的に「育つ」ものでもあります。「育つ」ということは自らの内発的な力で成長するということです。教育や治療を考えると…


心の心電図

現代日本において、心電図検査を受けたことがない、という方はおそらく少ないでしょう。企業の定期健診では施行が定められており、小中学校入学時にも、心電図検査は義務付けられています。このように体の検診は、多くの方が受診をする仕組みがあります。では、心の健診はどうでしょうか。 あまりイメージがないかもしれませんが、実はこれも、行われているものがたくさんあります。例え…


精神科訪問看護について

精神科訪問看護とは病院を退院した後、あるいは通院中の方が、家庭や地域社会の中で安心して治療を継続しながら快適な生活を送ることができるよう看護師などの専門職が定期的にご自宅に伺って、さまざまな相談やアドバイス、支援などを行うことです。 「病気とうまく付き合いながら、地域生活を継続したい」「病気や症状悪化時の対処方法を身に付けたい」「病気や症状、お薬などについて…