病名と告知②発達凸凹と発達障害<前編>

ここ数年、発達障害に関する受診相談が非常に増えています。家庭や学校でのうまくいかなさから受診につながる場合だけでなく、テレビやネットで見て「自分にも当てはまるんじゃないか」と大人になってから診断を求めて来られるケースも増えています。最初の診察である程度分かる場合もあれば、一見普通でありながら、検査を進める中でかなりの能力の偏り(アンバランスさ)が見えてきて、…


病名と告知① 精神分裂病から統合失調症へ

2002年まで、「統合失調症」は「精神分裂病」と呼ばれていました。それまでは、その言葉の響きやまだまだ薬物治療が発展していなかったことから、病名については本人に伏せることが一般的でした。たとえ本人に聞かれても、答えを濁すことがよしとされていたのです。 病名(呼称)が変わり、治療法も増えてくる中で、現在は家族だけでなく本人に告知(というより十分な説明)をするの…


亜鉛欠乏と精神・行動への影響

亜鉛欠乏と聞くと味覚障害を真っ先に思い浮かべる方が多いかもしれません。しかし亜鉛は300種類以上の代謝酵素の活性化に必要な成分で、その働きは味覚の維持にとどまらず、免疫、発育、皮膚代謝、生殖機能や精神・行動への影響にまで及びます。 例えば抑うつ状態や情緒不安定は亜鉛欠乏で出現することがありますし、暴力を振るう若い男性で血清銅(亜鉛の拮抗イオン)/血清亜鉛比率…


抗不安薬と睡眠薬の常用量依存

山崎

不安を抑えるための抗不安薬(安定剤)と、睡眠薬のほとんどに、わが国では、ベンゾジアゼピン系の薬剤が用いられています。この系統の薬剤は、処方量を守って服用していても軽い依存を生じることが知られており、この状態は常用量依存と呼ばれています。ただ、常用量依存の状態は一般的な薬物依存のイメージであるような、規定量以上の薬物を求めたり、薬物を服用して異常な考えや行動を…


せん妄ってどんな状態?

診療で「おばあちゃんが急に認知症になったのですが、どうすればいいですか」というような質問を受けることがあります。このような際に、考えられる状態がせん妄です。 具体的な症状としては、時間や場所が急に分からなくなり、注意力や思考力が低下します。また、壁の模様が虫に見える、何もない場所で小さな動物が見えるといった錯覚や幻覚、あり得ないことを述べる妄想という症状を呈…